目の見えない親による子育ての成功の ための秘訣

2020-01-05 | 作成者 Orcam Staff

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目の見えない親による子育ての成功の ための秘訣 - OrCam

親というのは言うまでもなく大変な仕事です。赤ちゃんや幼児のお世話には全神経を集中させる必要があり、食事やオムツの交換、子供の寝かしつけから医者の予約までやる事の数もかなりのものです。これを全てのこなすだけでも大変ですが、これを全て目が見えない状態で行わなければいけないとなるとどうでしょうか?視覚障がいを抱えながらも無事に子を育てた親から学べる事は非常に多いと我々は考えております。今回は、そんなハードルを乗り越えた視覚障がい者の親御さんによる、子育てのコツや
秘訣をご紹介して参りたいと思います。

辛抱強く対応する:

目が見えないというのは、目の見える方と比べて何に対しても少しだけ時間がかかってしまうという事でもあります。目の見えない親にとって子供のお風呂やオムツの交換、ご飯の準備といった仕事をこなすには他の人と比べて少しの辛抱強さが大事になってきます。目の見えない親御さんの
多くは、何事にも時間がかかるという事は別に大した問題じゃないという事に気づくことが、上手な子育てのための大きな第1歩になったという親御さんはかなり多いのではないでしょうか?これを理解した上で時間のかかる作業に取り組む時、時間がかかる事に慣れれば慣れるほどかかる時間を気にせずに子育てに取り組むことができるようになります。

大切なものには点字のラベルを貼る:

子供に何かをあげる時、それが薬でも離乳食でもおもちゃでも、あげているものが何なのかをちゃんと理解する事は非常に大事になってきます。
あげるもの買った瞬間から、それに点字で名前がはっきりと付いていると生活が非常に楽なものになります。加えて、薬といったものには与える
手順が点字で分かりやすく書いてあれば更に生活が楽になる場合がほとんどです。これにより、責任を持ちつつ日頃の子育てに独立性をもって対応する事ができるようになってきます。

オーカムマイアイ2等の補助機器を活用する:

子供の発達において、早い段階から読み聞かせや本を読み始める事が成長を大きく促すことが証明されています。目の見えない親にとっても、子供に読み聞かせをする方法はあります。子育てブログを書いている2児の母で視覚障がいをお持ちのホリー・ボナーさんは、高性能小型カメラのオーカムマイアイ2を使って絵本の読み聞かせを行っています。マグネットを使って普段使っている眼鏡に取り付けるオーカムマイアイ2が文字を認識し、搭載されてあるスピーカーを通して文字を読み上げます。

視覚以外の五感を信じる:

目の見えない親の方の多くが、触覚を視覚の代わりに活用する事が大いに子育ての役に立つと言います。触った感覚を通して、子供が何を持っているのか、何を食べているのか、そして何をやらかしているのかが分かるのです。目の見えない親の方が活用している別のコツに、子供の靴に小さな鈴を取り付けるというものがあります。これにより、子どもの居場所や動き方が認識できるようになるのです。

自分の視覚障がいを受け入れて心配をしない:

目の見えない親の多くは、目の見える親と比べて自分の出来る事が少ない事に罪悪感を感じています。こういった親御さんの多くは自分の子供に
“普通の子供の生活”が送れる事を願っています。しかし、子供たち自身は自分の親が他とは違う事を嫌でも理解してしまうものです。ホリー・ボナーさんの言葉を借りると「ええ、確かに私たちは暗闇の中で生活しています。しかし、私たちは自身の存在を通して、子供の世界を照らしているのです。私たちの子供は、私たちを凄くて美しい存在だと認識しています。これを理解するだけで、自分が子供にとってどれほど特別な存在なのかを日頃から認識できるようになるはずです。」

親の責任を誰かと共有する事を恐れない:

目の見えない親だって、夫や妻、親戚や家政婦に育児を任せて休む必要がある事を理解しないといけません。この事を目の見えない親の多くが、目の見える親以上に理解している場合がほとんどです。子供の食事や宿題、遊びなどをサポートしてくれる人たちに頼ることで、仕事やレジャー、趣味などに割く時間を作る事は子育てを続けるためにはとても大事な行為になってきます。

外部の人が何を言おうと、子育てに大事なものは自分がどんな障がいを
抱えているかではなく、自分がどんな人かという事に尽きます。目が見えずに子育てに苦労している場合は、近くの視覚障がい者団体にご相談ください。また、英語となりますが、前述のホリー・ボナーさんの子育てブログも下記にて掲載させて頂きます。

( https://blindmotherhood.com/ )

 

加えて、英語ではありますが、下記にて目が見えない父親が自身の子育てを語る動画を下記にて掲載させて頂きます。