目の見えない人が見るものとは?
2020-01-05 | 作成者 Orcam Staff
世界で2億5千万人の方が目が見えないあるいは視覚障がいを抱えたまま
生活しています。驚く事に、この内80%以上の方の障がいは、事前に予防出来るあるいは早期発見によって完治できるものなのです! バランスの良い食事や禁煙、眼科での定期的な検査や紫外線を避けるといった事を日頃から行う事で将来起こりうる目の問題を回避する事が出来ます。眼科の権威であるアメリカのマヨクリニックによると、目の健康のための20-20-20ルール(20分毎に画面から20秒目を離し、20フィート/約6メートル離れたものを見つめる)に従う事が目の健康に大いに役立つ事が判明しております。しかし、多くの方が目の健康を当たり前の事だと思って生活しております。この中でも“目の見えない人は何を見ているんだろう”、“目を閉じた時と同じ景色をみているのだろうか”、“ただ何もかもが真っ暗に見えるのだろうか”と考えた事のある方が少なからずいるのではないでしょうか?
法律上の盲目の認定基準は6/60(アメリカでは20/200)となっています。これは法的に盲目な人が約6メートル先に設置したら見える視力検査表が、健常者の方の視力では60メートル先に設置しても見える、といった
基準です。それでは、目の見えない人にはどのように見えているのかでしょうか。
全盲
全盲は視覚障がいの中でも実は大変少ないのが現状です。これは、目と脳との繋がりが完全に切れた場合に発生するものです。全盲の方の症状は脳にダメージを負っている、視神経が切断されている、あるいは眼球が取り除かれている場合の症状です。こういった症状をお持ちの方は、世界が真っ黒に見えるのではなく、本当の意味で何も見えていない方が大多数となります。
部分的な視覚障がい
では、世界が少しだけ見える目の見えない人の過半数の皆様は世界がどう見えているのでしょうか?これは、その方の視力と視覚障がいの原因で変わってきます。
下記が視覚障がいとこれを持つ方がどう世界を見ているかの事例を何点かご紹介いたします。
白内障
ご高齢の方が白内障を患う場合、症状は時間を負って悪化していきます。白内障の発症には放射線治療や紫外線の影響が密接に関わっています。加えてプレドニゾンといった薬物も白内障発症の確率を引き上げます。こういった病状をお持ちの方は世界が霜で曇っているように、あるいは世界が黄色く染まった様に見えています。下記にて白内障の方の目を通して公園を散歩する風景がどう見えるかを再現した短めのVTRを掲載させて頂いたので、是非ご視聴下さい:
黄斑変性症
多くの高齢者の方にとって視力低下の大きな理由として黄斑変性症がございます。加齢黄斑変性症を患っている方の周辺視野を見る能力はまだ健在ですが、彼らの中心視野は時間がたつにつれ低下して行きます。加齢黄斑変性症の発症には喫煙や家族に同じ症状を持つ人がいるかどうか、あるいはゼアキサンチンやルテインといった成分の不足などの原因がございます。黄斑変性症が視力にどう影響するかをコチラをクリックする事でご覧頂けます。
糖尿病
糖尿病の症状の1つには、視力の消失があります。糖尿病による網膜障がいは糖尿病性網膜症と呼ばれており、これには増殖網膜症や黄斑浮腫といった病気が含まれます。増殖網膜症の方の視界には点や浮遊物といったものが移り、夜目に影響が発生します。黄斑浮腫の方の視界は色が変化
したり波打って見えたりする症状が発生します。定期的に眼科検診を行うことは糖尿病性網膜症の早期発見には必要不可欠となってきます。症状の
悪化を防ぐには、血糖値や血圧、コレステロール値を抑える事が予防に
大きく貢献します。
緑内障
緑内障は視界がぼやけとトンネル状視野/狭窄の原因となります。アメリカでは約250万人の方が緑内障を患っており、2050年には約630万人の方が緑内障にかかると予想されています。(英文)緑内障は過度の負担をにより視神経を傷つける病気です。緑内障は開放角緑内障、閉塞隅角緑内障、正常眼圧緑内障、先天性緑内障の4つの症状に分類されており、これらの症状の感知には眼科検診が必要不可欠です。また、緑内障のによる視神経へのダメージが視覚障がいに発展するには数年かかる場合がございます。詳しくはコチラ(英文)をご覧ください。
盲目の認定基準である6メートルと60メートルには実際どれくらいの差があるのかはコチラ(英文)からご覧頂けます。これをご覧頂く事で法律上盲目と認定されるのがどういうことなのかを少しでも掴んで頂けるかと思います。
目の見えない人にとって世界がどう見えているかを理解する事で、目の見える方が彼らと彼らが必要としているもの(英文)が理解しやすくなります。また、視覚障がいを感知し予防するためには何をすればいいのかを理解する事で、目の健康を維持する事がより現実的になってきます。しかし、視力の一部あるいは全てが失われる事態に陥ってもOrCam MyEye等の視覚補助機器により独立性を再び手に入れる事が可能です。ここ10年での、このような革新的技術の開発によって、将来“目の見えない人は何を見ているんだろう”といった疑問が無くなる時代が来ると我々は信じています。
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